OBJECT PASCAL HANDBOOK
Delphi 11 Edition
Delphi 11 AlexandriaのためのObject Pascalプログラミング完全ガイド
著者 | Marco Cantù |
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監訳者 | 藤井 等 |
訳者 | エンバカデロ・テクノロジーズ |
判型 | B5変型、664頁 |
ISBN | 978-4-87783-521-7 |
価格 | 本体 8,000円 |
発行日 | 2022年4月10日(初版第1刷) |
本書について
本書は、新たな開発者や他の似たような言語から移行した開発者だけでなく、この言語の最新の変更点について学習しようとしているさまざまなPascal系言語の古くからの開発者も対象とした、言語マニュアルです。Object Pascal言語の歴史について簡単に説明した短い付録以外、本書では現在のObject Pascal言語について解説しています。
本書では、この言語がどのように進化してきたかではなく、トピックごとに、この言語の現在とその最も良い使用方法について説明します。たとえば、オリジナルのPascal言語から続くネイティブデータ型では、(組み込みの型ヘルパのおかげで)メソッドライクな機能が最近導入されました。第2章でこの機能の使用方法を紹介していますが、自分でそのカスタム型を拡張する方法については、後半で触れています。
本書では現在のObject Pascal言語について基礎から順に説明し、歴史的な視点は非常に限られています。この言語を過去に使用したことがあっても、最後の数章だけでなく、本書全体にざっと目を通し、新しい機能を確認することをお勧めします。
目次
- 第I部 基礎
- 第1章 Pascalでのコーディング
- 1.1 コードから始めよう
- 1.2 構文とコーディングスタイル
- 1.3 言語キーワード
- 1.4 プログラムの構造
- 1.5 コンパイラ指令
- 第2章 変数とデータ型
- 2.1 変数と代入
- 2.2 データ型
- 2.3 シンプルなユーザー定義データ型
- 2.4 式と演算子
- 2.5 日付と時刻
- 2.6 型キャストと型変換
- 第3章 言語の文
- 3.1 単純文と複合文
- 3.2 if文
- 3.3 case文
- 3.4 forループ
- 3.5 while文とrepeat文
- 第4章 手続きと関数
- 4.1 手続きと関数
- 4.2 パラメータと戻り値
- 4.3 インライン化
- 4.4 関数の高度な機能
- 第5章 配列とレコード
- 5.1 配列データ型
- 5.2 レコードデータ型
- 5.3 メソッド付きレコード
- 5.4 バリアント
- 5.5 ポインタとは
- 5.6 ファイル型とは
- 第6章 文字列のすべて
- 6.1 Unicode:世界共通の文字体系
- 6.2 Char型の再検討
- 6.3 文字列データ型
- 6.4 文字列とエンコード
- 6.5 文字列の他の型
- 第II部 Object PascalでのOOP
- 第7章 オブジェクト
- 7.1 クラスとオブジェクトについて
- 7.2 オブジェクト参照モデル
- 7.3 private、protected、public
- 7.4 Self識別子
- 7.5 コンストラクタ
- 7.6 ネストした型とネストした定数
- 第8章 継承
- 8.1 既存の型からの継承
- 8.2 共通の基底クラス
- 8.3 protectedフィールドとカプセル化
- 8.4 継承から多態性へ
- 8.5 抽象メソッドと抽象クラス
- 8.6 安全な型キャスト演算子
- 8.7 ビジュアルフォームの継承
- 第9章 例外の処理
- 9.1 try-exceptブロック
- 9.2 finallyブロック
- 9.3 実際の例外
- 9.4 グローバル例外処理
- 9.5 例外とコンストラクタ
- 9.6 例外の高度な機能
- 第10章 プロパティとイベント
- 10.1 プロパティの定義
- 10.2 publishedアクセス指定子
- 10.3 イベント駆動型プログラミング
- 10.4 TDateコンポーネントの作成
- 10.5 クラスでの列挙サポートの実装
- 10.6 RADとOOPを混在させる場合の15のヒント
- 第11章 インターフェイス
- 11.1 インターフェイスの使用
- 11.2 高度なインターフェイスの手法
- 11.3 インターフェイスによるAdapterパターンの実装
- 第12章 クラスの操作
- 12.1 クラスメソッドとクラスデータ
- 12.2 クラスコンストラクタ(およびデストラクタ)
- 12.3 クラス参照
- 12.4 クラスとレコードヘルパー
- 第13章 オブジェクトとメモリ
- 13.1 グローバルデータ、スタック、ヒープ
- 13.2 オブジェクト参照モデル
- 13.3 メモリ管理のTips
- 13.4 メモリ管理とインターフェイス
- 13.5 メモリの追跡とチェック
- 13.6 堅牢なアプリケーションの記述
- 第III部 高度な機能
- 第14章 ジェネリクス
- 14.1 ジェネリックKey-Valueペア
- 14.2 Object Pascalにおけるジェネリクス
- 14.3 ジェネリック制約
- 14.4 既定のジェネリックコンテナ
- 14.5 ジェネリックインターフェイス
- 14.6 Object Pascalのスマートポインタ
- 14.7 ジェネリクスと共変戻り値型
- 第15章 無名メソッド
- 15.1 無名メソッドの構文と意味
- 15.2 ローカル変数の使用
- 15.3 無名メソッドの舞台裏
- 15.4 無名メソッドの実際の利用
- 第16章 リフレクションと属性
- 16.1 拡張RTTI
- 16.2 RTTIユニット
- 16.3 TValue構造体
- 16.4 属性の使用
- 16.5 仮想メソッドインターセプタ
- 16.6 RTTIケーススタディ
- 第17章 TObjectおよびSystemユニット
- 17.1 TObjectクラス
- 17.2 Systemユニット
- 第18章 その他のコアRTLクラス
- 18.1 Classesユニット
- 18.2 最新のファイルアクセス
- 18.3 文字列および文字列リストの作成
- 18.4 巨大なランタイムライブラリ
- おわりに
- 付 録
- 付録A Object Pascalの発展
- A.1 WirthのPascal
- A.2 Turbo Pascal
- A.3 初期のDelphiのObject Pascal
- A.4 Object Pascal - CodeGearからエンバカデロまで
- A.5 モバイルへの進出
- A.6 Delphi 10.x時代
- A.7 Delphi 11のリリース
- 付録B 用語集