HTML5 + Web Audio API による
オーディオデータプロセッシング
「音」の理論から生成、分析、
オリジナル電子楽器の開発まで
- 著者 特定非営利活動法人 natural science
遠藤 理平/竹中 恭介/藤原 脩
- 判型 B5変型、392頁
- 本体価格 3,800円
- ダウンロードサービス:本書掲載のサンプルファイル
- ISBN 978-4-87783-375-6
2015年12月10日 初版第1刷発行
本書について
Web Audio APIとは、ウェブブラウザを介してデバイスの機能を利用する各種APIの一つです。これを用いると、デジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)などのソフトウェアで行われるミキシング、編集、フィルタリングなどの機能を、なんとウェブブラウザだけで実現することができます。このAPIは、ネイティブアプリケーション並の機能をもつウェブアプリケーションを開発する上で重要な役割を果たすことから、W3Cによる作業草案段階でありながら、主要ウェブブラウザでの実装がすでに進んでいます。
本書は、単にHTML5とJavascriptを使った開発方法について解説するだけでなく、「そもそも音とは何か?」という疑問から始まり、楽器の音色の起源や音階・調性・和音といった音楽の基礎まで、物理学と音楽の両面からアプローチし、「音」を深く理解することを目的としています。そして、両アプローチで得られた知見を元に、電子楽器アプリケーションの開発を通じて、任意の波形の音を生成できるHTML5のWeb Audio APIの利用方法について詳しく解説します。
目 次
- 第1章 音楽と私!?
- 1.1 音楽コトハジメ
- 1.2 音と波
- 1.3 音の高さ・大きさ
- 1.4 調性
- 1.5 倍音と音色
- 1.6 和音
- 1.7 拍とリズム
- 1.8 音をつくる
- 1.9 音楽のしくみ
- 1.10 私と音楽
- 第2章 音の波を操ろう!
- 2.1 音生成アプリ「SoundGenerator」を開発しよう!
- 2.2 様々な音を表現しよう
- 2.3 ドレミファソラシド!
- 2.4 じゃじゃじゃじゃーん!
- 2.5 音形(エンベロープ)を調整しよう
- 2.6 実際の曲を演奏しよう!
- 第3章 楽器の音を解析してみよう!
- 3.1 音解析アプリ「SoundAnalyzer」を開発しよう!
- 3.2 弦楽器の音解析
- 3.3 木管楽器の音解析
- 3.4 金管楽器の音解析
- 3.5 打楽器の音解析
- 3.6 鍵盤楽器の音解析
- 第4章 WebAudioAPI全クラスの紹介
- 4.1 オーディオグラフ
- 4.2 音源
- 4.3 フィルタ
- 4.4 出力先
- 4.5 解析と可視化
- 4.6 チャンネルの分割と結合
- 4.7 立体音響
- 4.8 JavaScriptによるオーディオデータ処理
- 4.9 オフライン/バックグラウンド処理
- 4.10 非同期処理(AudioWorker)
- 第5章 オリジナル電子楽器の開発
- 5.1 単純キーボードアプリの開発
- 5.2 自作オーディオクラス「MyWebAudioクラス」の開発
- 5.3 単純キーボードアプリの機能拡張
- 5.4 音律切り替え機能の追加
- 5.5 オリジナル音色指定機能開発のための準備
- 5.6 オリジナル音色指定機能付きキーボードアプリ
- 5.7 さらなる拡張へ:音形(エンベロープ)調整
- 付録
- 付録A HTML5でグラフ描画:jqPlotの使い方
- 付録B 世界の全てを波で表現:フーリエ解析