SVGの最大の特徴は、どんなに拡大しても画質が劣化しないこと。サイズという概念に捉われる必要がないため、様々な用途にSVGを活用できます。
また、画像でありながらテキストデータであることもSVGの大きな特徴といえます。位置や色などの情報をテキストデータとして保持しているため、JavaScriptを使って自在に画像を操作することが可能です。アニメーションにも対応しています。一般的に広く利用されているJPEGやPNGなどの画像は“単なる画像データ”でしかありません。他の画像に差し替えることはできても、画像の内容を手軽に操作することは不可能です。しかし、SVGなら可能です。このような特徴から、Flashのように“動きのある画像”を実現する場合にもSVGが活用できると期待されています。
本書は、SVGを初めて学ぶ方を対象にした解説書です。HTMLとCSSの基礎的な知識があれば、すぐにSVGを試すことができます。HTMLやCSSと同様に、SVGはテキストエディターで記述できるため、SVGを始めるにあたって特別なアプリ—ケーションは何も必要ありません。もちろん、SVGの作成に画像編集アプリを使用することも可能です。本書ではInkscapeという無償のアプリケーションを紹介しているので、こちらも試してみるとよいでしょう。
SVGはまだまだ普及し始めたばかりの技術ですが、近い将来、Webに欠かせない技術の一つになると認識されています。SVGの利用を始める第一歩として、本書でSVGの基本を学び、SVGのユニークな活用方法を発見していただければ幸いです。