インテルXeon Phiコプロセッサーは、これまでのIAプロセッサーとは異なるアプローチが必要であり、製品化に至るまでソフトウェア開発についてもいろいろ試行錯誤が行われました。プロトタイプは作られましたが、製品化には至らなかったものもあります。最終的に決まったことは、「新しい言語やプログラミング・モデルを習得することなく、容易に新しいハードウェアを利用できるようにする」ということでした。そのため、すでに並列プログラミングやベクトル化の経験がある開発者の方が本書をご覧になると、コプロセッサーを利用するために追加された機能をいち早くご理解いただけると思います。
本書はすぐにプログラミングを始められるように構成されています。簡単な紹介に続いて、プログラミングに関する説明を行い、パフォーマンスを達成する方法を示すプログラミング例を通して皆さんの意欲を高めます。 本書の第1章から第5章では、関連するテクノロジーや製品の関係を整理、構築し、第6章から第14章はどの順番でもお読みいただけるように各章で完結しています。第6章以降は、プログラミング例を用いてシステムの個々の要素を詳しく説明し、読者が求める情報を探しやすいように構成しています。