今やスマートフォンは大変な勢いで社会に浸透しています。通話やメールなどの基本的な機能もさることながら、スマートフォンアプリと呼ばれる便利なアプリケーションを活用している方も数多くいらっしゃることでしょう。そういったアプリケーションに触れるにつれ、「自分もスマートフォンアプリを作ってみたい」と思われる方も決して少なくはないはずです。
主要なスマートフォンアプリの一つであるAndroidアプリは、基本的にJavaを利用して開発を行います。これはJavaの普及率の高さや、開発プラットフォームを問わないという点を考慮すると、さほど敷居は高くないであろうと思われます。もう一つの代表的なスマートフォンアプリであるiOSアプリはどうでしょうか。iOSアプリの作成では、Objective-CというJavaと比較してさほど浸透していないプログラミング言語を利用しなければいけません。ゼロから新しい言語を習得するのは一苦労ですし、メモリー管理などがネックとなってiOSアプリの開発を諦めた方も多いのではないでしょうか。
本書で紹介するKivyライブラリーを利用したアプリケーション開発は、Pythonを利用して行います。また、Jailbreakを行う必要もありません。さらに、KivyアプリケーションはiOSだけでなく、WindowsやLinux、Androidでも同一のソースコードで動作させることが可能です。今後のプロジェクト発展と共に、各種ウィジェットやネイティブAPIとの親和性などにおいて、さらなる向上を見込めることでしょう。
Kivyライブラリーを利用すれば、Objective-Cのソースコードを一切書くことなくiOS上で動作するアプリケーションを作成できます。大人気アプリに負けないような、すばらしいアプリケーションを作ってみてください。