本書はOpenGL ES 1.1によるプログラミングの入門書である『OpenGL ESによる3Dグラフィックスプログラミング入門』の続編にあたり、OpenGL ES 2.0でプログラマブルシェーダのプログラミングを始められる方のための入門書です。
第I部では、特定のプラットフォームには依存しない内容を中心に解説していますが、最も身近にあるであろうWindows環境で学習ができないかと考え、OpenGL ES 2.0のGLSL ES 1.00のもとになったデスクトップ向けのOpenGL 2.0のGLSL 1.10を学習環境に選びました。OpenGL 2.0(GLSL 1.10)にはOpenGL ES 2.0(GLSL ES 1.00)に含まれないより多くの便利な機能を持っており、最初はこれらの機能を用いることで、シェーダプログラミングの敷居を低くすることができるためです。GLSL 1.10の解説の後に、GLSL 1.10とGLSL ES 1.00の違いを解説しています。
読者の方には、遠回りに感じるかもしれませんが、OpenGL 2.0(GLSL 1.10)を学習することで結果的にはOpenGL ES 2.0(GLSL ES 1.00)の理解を深めることにつながると考えています。
第II部は、第I部とは趣が異なり、コンピュータグラフィックスの歴史から始まり、3Dグラフィックス処理やS3TC、ETCといったテクスチャ圧縮技術、立体ディスプレイ、GPGPU、OpenCLなどの概要について解説しています。