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UX デザインプロジェクトガイド
優れたユーザエクスペリエンスデザインを実現するために

本書について

 本書は、amazon.comでも評判の高い「A Project Guide to UX Design: For user experience designers in the field or in the making」(Russ Unger、Carolyn Chandler著、New Riders刊)の全訳であり、原著ではボーナスチャプターとしてWebサイトに掲載されていた "A Brief Guide To Meeting" の訳を加えたものです。

 本書のタイトルに使われている言葉、UX、すなわち、ユーザエクスペリエンス(ユーザ体験)は、Webページだけでなく、情報提示画面を持つすべてのコンピュータ機器がユーザに与える体験を指します(実は画面がなくても体験は与えられますが、想像しやすくこう書きます)。これは、個々の画面内の要素やその振る舞いではなくWebページやコンピュータ機器の一連の操作を通して得られる体験の総称で、どのような体験をユーザに与えるかが重要であり、それに基づいてユーザビリティやサービスを設計する、という立場からの考え方です。

 本書は、優れたユーザエクスペリエンスを実現する際に必要となる手法やアプローチ、プロジェクトの進め方をまとめたもので、その素晴らしいのは、適切な分量で一冊の本にまとめてあるところ、そして実践的に書かれているところです。これまでは、本書が扱っているような内容はさまざまな本に書かれており、全容を得るためには、何冊かの本を読まなくてはなりませんでした(加えて、複数冊だと持ち運ぶのも大変)。本書は、プロジェクトのエコシステムに始まり、目的の明確化、要件の定義、その優先順位付け、ペルソナ、ユーザ調査、検索エンジン最適化、プロトタイピング、会議の手引きに至るまで多彩な内容が網羅されています。

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