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やさしいF#入門
関数型言語を始める

本書について

 F#(エフ・シャープ)は関数型プログラミングのための新しいプログラミング言語です。関数型言語は、C#、Visual Basic、C++、Javaなどの手続き型言語(命令型言語ともいう)とは違って、関数を記述することによってプログラムを作成します。たとえば、条件分岐を行うifや繰り返しのforでさえ、F#では関数として評価できる式文です。
 関数型言語には、手続き型言語よりもプログラムを簡潔に書くことができる場合が多いという特徴があります。たとえば、他のプログラミング言語で書くと十数行になるコードを、わずか数行で書くことができます。そのため、コードの入力(タイピング)の手間が減るだけではなく、プログラムが短く読みやすくなり、間違いが紛れ込む可能性もそれだけ減り、結果としてラクに楽しくプログラミングできます。さらに、F#のような並列処理に適する関数型言語では、最近のマルチコアプロセッサのマシンのパワーをより効果的に活用できます。
 さらに、F#は、オブジェクト指向プログラミングの方法を取り入れています。関数型プログラミングとオブジェクト指向プログラミングの両方の技術を利用できるということは、F#をマスターするためには両方の概念と用語、そして、それらを結合する新しい概念とその用語を学ぶ必要があるということです。しかし、本書では「Hello, F#」を出力するための単純なプログラムから始めて、徐々に高度な内容になるので、誰でも楽しく気楽にF#を学ぶことができます。
 また、本書は、Java、C++、C#、Visual Basicなどの従来広く普及しているプログラミング言語の経験がある読者に特にわかりやすいように配慮しています。たとえば、F#では「式」であるifやfor、whileなどを、本書では制御構造のためのキーワードとして解説しているので、従来のプログラミング言語学習の経験や知識を活かすことができます。

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