Essential OpenCV Programming
with Visual C++ 2008
- 著者 谷尻 豊寿
- 判型 B5変型, 352頁+口絵8頁, CD-ROM付属
- 本体価格 3,600円
- ISBN 978-4-87783-232-2
本書について
「もっとシンプルで、もっとOpenCVの機能にポイントを絞ったサンプルコードがあれば、もう少し楽にOpenCVが理解できて、そうすれば色々な場面での活用が期待できるのでは」——本書はそんな思いで執筆した本です。
開発言語にはVisual C++ 2008を使用しました。せっかくVisual C++ 2008を使うのですから、そこに用意されている豊富なコンポーネントを使わない手はありません。ボタンやテキストボックスだけでなく、トラックバーやピクチャボックスなどを活用することで、ユーザーインターフェース部分の開発にかかる工数を大幅に減らすと同時に、直感的でわかりやすい操作画面を提供しました。また、ユーザーインターフェース部分をプログラミングする必要がなくなったおかげでOpenCVの機能を中心にしたプログラミングが可能になり、どの関数を使ってどんな処理をすればどういう結果になるのかという、本当に大切な部分が見えるようになったと思います。
OpenCVには画像処理およびコンピュータビジョンのためのアルゴリズムが500以上も収録されています。本書はその中のごく一部、画像データの扱い方や画像処理の方法など、これだけは押さえておきたいというOpenCVの基本を解説したものです。本書で紹介した基本さえしっかりと身につけておけば、これから先、カメラキャリブレーションやモーションテンプレート、パターン認識など、OpenCVの真髄ともいえる機能を使う場面に遭遇したとしても、臆することなく開発が進められると信じています。
目 次
- 第1章 イントロダクション
- 1.1 OpenCVとは
- 1.2 OpenCVのセットアップ
- 1.3 アプリケーション開発の手順
- 第2章 画像入出力の基本
- 2.1 画像ファイルの読み込み
- 2.2 Webカメラを利用する
- 2.3 画像をファイルに保存する
- 2.4 ビデオファイルを利用する
- 2.5 カメラ入力した画像をビデオファイルに出力する
- 第3章 画像データの扱い方
- 3.1 IplImage構造体
- 3.2 画像の基本操作
- 3.3 画像の幾何学変換
- 3.4 関心領域の設定
- 3.5 IplImage型のデータを.NET FrameworkのBitmapオブジェクト に変換する
- 第4章 画像処理(1)——色を処理する
- 4.1 カラーチャンネル
- 4.2 ヒストグラム
- 4.3 2値化
- 4.4 階調変換
- 第5章 画像処理(2)——形を処理する
- 5.1 フィルタ処理
- 5.2 ノイズ除去
- 5.3 画像計測
- 第6章 グラフィックス機能
- 6.1 描画関数の使い方
- 6.2 マウスイベントの利用
- 6.3 領域内の塗りつぶし
- 第7章 作ってみよう
- 7.1 AHAムービー
- 7.2 背景差分
- 7.3 クロマキー
- 7.4 物体追跡
- 付録 OpenCV 1.1pre1aを使用する際の注意事項
- A.1 ビデオキャプチャの初期化
- A.2 ビデオライタの初期化
- A.3 ファイルダイアログ