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C言語でプログラミング

SH-2開発ブック for MES & gcc

本書について

 本書は、私がロボット制御でよく使うPICマイコンからSH-2へ移行したいと考え、『なるべくすっぴんのSH-2ボードはないか?』と探しているときに出会ったイーエスピー企画の「CQ-7144」ボードを、ハードウェアとソフトウェアについて拡張していく際に必要となったことを記録し、書きなおしたものです。

 せっかくSH-2という32bit CPUを使うのですから、以前のPICのように「OSレス & アセンブラ」の開発ではなく、『OSを使ってC言語で開発したい』と思い、導入が簡単で本格的なC言語(gcc)が使える環境を探していました。このときに出会ったのがMES(みついわゆきおさん作のOS)でした。MESはVer1(日立のH8というCPUで動作)の頃に使った経験があり、MESがVer1からVer2へと変わったので、久しぶりの使用となりました。MESの優れた開発環境とgccによるプログラミングが可能という点は、今までに作った自作のC言語ライブラリがほぼ活用でき、32bit CPUなのでgccとの相性も抜群です。確実にPICより開発が楽になることもあり、SH-2 & MESの開発環境に変更しました。
 その際、すっぴんのボードであるのをいいことに、『自分で32bitのマイコンボードを作ってしまえ』と開発を進めていきました。MESの機能を活かすべく、
 (1)SDメモリーカード
 (2)シリアルイーサネット変換
 (3)I2Cバスエクステンション
 (4)A/D
 (5)DIO
 (6)拡張シリアル
の諸機能をまとめたボードを開発・テストし、この際に得た知見を本書にまとめました。これら諸機能をまとめたものを、Webカメラで画像をみながら制御するロボットカーに応用してみました(本書の付録CD-ROMに動画が収録されています)。
 本書は、初めてSH-2のプログラム開発を始める方にお勧めです。付録CD-ROMには、私が開発に使った「MES 2.5b2」が収録されています。また、ソースコードとSH-2の実行ファイルも収録されているため、すぐに実験を開始できます。
 SH-2クラスのマイコンでは、(1)〜(6)の機能がまとめられている製品も発売されていますが、実際に自分で設計するという能力を身に付けて欲しいとの考えから、あえて一からハードを作製しています。また、組み込みの技術教育の教科書としても使えるように本書を執筆しました。

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