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実践OpenCV
映像処理&解析

本書について

 本書で紹介するOpenCV(Open Source Computer Vision Library)は、映像処理やコン ピュータビジョンのプログラミングに特化したオープンソースのC/C++ ライブラリ集です。

 OpenCV を活用すれば、身近なPCを用いてコンピュータビジョンを実現することができ、それらを応用したさまざまな画像・映像処理アプリケーションを比較的簡単に作成できます。
 OpenCV のプログラミングは、Visual Studio などの開発環境を用いてC/C++ で行います。本書では、無償版のVisual C++ についてインストールから設定まで説明しているので、Windows のC/C++ 開発環境に慣れていない方や画像処理プログラミングをこれから勉強しようとしている方でも、すぐに取りかかることができます。また本格的なGUI を備えたアプリケーションを作成する読者のために、製品版のMicrosoft VisualStudio に付属しているMFC(Microsoft Foundation Class)とOpenCV を組み合わせる方法についても説明してあります。
 OpenCVには、画像処理やコンピュータビジョンの研究者の手による膨大な研究成果が集約されています。ライブラリ化されたさまざまな技術を体験することは、画像処理の入門としても最適です。本書では画像処理アルゴリズムの詳細は割愛し、シンプルなコードを中心に、できる限りすばやく目的の処理を行えるようになることを目指しています。プログラムコードはいずれについても全行を掲載したので、それだけで実行できるようになっています。まずは、掲載したプログラムをビルドし、実行してみてください。そして、そのプログラムを調整したり改良したりすることを通じて、OpenCV による画像・映像の扱い方、各種アルゴリズムの使用方法、リファレンスの読み方などに慣れ親しみましょう。本書を読み終えれば、OpenCV を駆使してオリジナルの画像・映像 処理が行えるようになっているでしょう。

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