本書について Visual Studio .NETが登場して間もない頃は、.NET Frameworkを使いこなす機会が多かったとはいえず、Visual C++ 6.0やVisual Basic 6.0の新しいバージョンとして利用する人が少なくありませんでした。しかし、Visual Studio .NET 2003となってからは、次第に.NET Frameworkを前提とした開発も増加しはじめました。そして、Visual Studio 2005の登場は、製品名から「.NET」の文字を除くことによってかえって、.NET Frameworkへの本格的な移行を後押ししているように感じられます。 .NET Frameworkは、単なるクラスの集合体ではなく、幅広い応用分野に適応できる完全な環境です。提供されるクラスライブラリを駆使すれば、ほとんどの要求を満足させられることでしょう。そしてこの強力な.NET Frameworkを最大限に活用するには、C#は打ってつけの言語であるといえます。 C#は、開発の最前線で使用されているC++やJavaに勝るとも劣らない機能を持つと同時に、Visual Basicのような扱いやすさも兼ね備えた、非常に洗練された言語です。C++のプログラミング経験を有する方であれば、C#の利便性をすぐに理解できることでしょう。また、これまでVisual Basicを使用してきた方にも、.NETへ移行する機会にC#を試してみる価値はあると思います。Visual C++ 6.0とMFCを使用していたエンジニアのアップグレードパスと考えても、よい選択といえるでしょう。 目 次
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