練習 5
図5-1 | 図5-2 | 図5-3 | 図5-4 |
祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅雙樹の花の色、
盛者必衰のことわりをあらわす。
おごれる人も久しからず、
只春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂には滅びぬ。
偏に風の前の塵に同じ。
注1. 祇園精舎(ぎおんしょうじゃ):須達長者が釈迦とその弟子に寄進した寺。
注2. 沙羅雙樹(さらそうじゅ):釈迦の病床の四方に二本ずつ相対して生えていたという娑羅の木。
注3. 盛者必衰(じょうしゃひっすい):世の中は無常であり、勢いの盛んな者もいつかは必ず滅びる去る。
注4. 偏に(ひとえに):「一重に」。まったく、もっぱら。 5-2-1. 05-02.html -------------------------------------------------------------------------------
今は昔、竹取の翁といふものありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづの事に使ひけり。
名をば、さかきの造となむ言ひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて寄りよりて見るに、筒の中光りたり。
それをみれば、三寸ばかりなる人、いと美しうてゐたり。
翁言ふやう、「わが朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ。
子になり給べき人なめり。」とて、手にうちいれて、家に持ちて来ぬ。
妻の媼に預けて、養はす。
美しきこと限りなし。
いと幼なければ、籠に入れて養ふ。
竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけてのちに竹取るに、
節を隔てて、よごとに黄金ある竹を見つくる事重なりぬ。
かくて、翁やうやう豊かになりゆく。 5-3-1. 05-03.html ----------------- 省略 5-4-1. 05-04.html -------------------------------------------------------------------------------------------
今は昔、竹取の翁といふものありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづの事に使ひけり。
名をば、さかきの造となむ言ひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて寄りよりて見るに、筒の中光りたり。
それをみれば、三寸ばかりなる人、いと美しうてゐたり。
翁言ふやう、「わが朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ。
子になり給べき人なめり。」とて、手にうちいれて、家に持ちて来ぬ。
妻の媼に預けて、養はす。
美しきこと限りなし。
いと幼なければ、籠に入れて養ふ。
竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけてのちに竹取るに、
節を隔てて、よごとに黄金ある竹を見つくる事重なりぬ。
かくて、翁やうやう豊かになりゆく。