実践OpenCV 2.4 for Python
映像処理&解析
- 著者 桑井 博之/豊沢 聡/永田 雅人
- 判型 B5変型、360頁
- 本体価格 3,800円
- ISBN 978-4-87783-346-6
2014年7月10日 初版第1刷発行
本書について
ヒトとコンピュータにはそれぞれ得手不得手が存在します。その代表的なものが画像・映像の解釈ではないでしょうか。とある人物の全身写真を見た場合、皆さんはどこが顔であるか、手はどこか、どういった服装をしているかをすぐに理解できます。しかし、コンピュータの視点から見ると、顔、手はおろか人物の全身写真であることも理解できません。コンピュータにとっては色味をもった小さな点が不規則に集合している、という認識でしかないのです。
近年、技術の進歩によりそういった垣根は取り払われつつあります。たとえばデジタルカメラでの顔認識に代表されるようなものが数多く生まれてきました。しかし、そういった機能を自ら実装するには、高い知識・スキルが必要なことは言うまでもなく、満足する精度をもたらすにはさらなる努力が必要であることは容易に想像できます。
OpenCV(Open Source Computer Vision)は、そういった機能を誰でも利用できるように開発された、オープンソースのコンピュータビジョンライブラリです。耳慣れない用語が多く登場するため、敷居が高いように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、処理前・処理後で目に見える形で変化する機能も多いため、視覚的な変化の少ないコンソールアプリケーションよりも楽しく感じる方も多いでしょう。
OpenCVにはC++インターフェースなどもありますが、本書はPythonインターフェースをターゲットにしています。ループの多いリアルタイムな映像処理など、高負荷なプログラムにおいてはC++を利用した方がよい場合もあります。しかしながら、ほとんどのプログラムは問題なく動きますし、何と言ってもスクリプト言語の特徴であるコンパイルを必要としない実行環境は、とても魅力的です。
PythonインターフェースのOpenCVは導入も難しくありません。Python自体の習得しやすさも相まって、コンピュータビジョンの世界に足を踏み入れるにはよい選択だと思います。本書がその一助となれば幸いです。
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目 次
- 第1章 OpenCVについて
- 1.1 OpenCVとは
- 1.2 OpenCVの機能と構成
- 1.3 OpenCVの使用例
- 1.4 OpenCVでの映像処理の流れ
- 1.5 カラーモデル
- 1.6 画像配列
- 1.7 旧バージョン
- 第2章 画像・映像入出力
- 2.1 画像ファイルの表示
- 2.2 画像ファイルの処理と保存
- 2.3 ビデオファイルの表示
- 2.4 ビデオファイルの処理と保存
- 2.5 カメラ映像の表示
- 2.6 カメラ映像の処理と保存
- 第3章 映像処理
- 3.1 カラーチャンネルの分離と合成
- 3.2 移動物体の抽出(浮動小数点数型画像)
- 3.3 空間フィルタリング(オリジナルフィルタ)
- 3.4 クロマキー合成とカラーモデル変換
- 第4章 基本操作
- 4.1 テキストとグラフィックスの描画
- 4.2 ピクセルの直接操作(映像処理)
- 4.3 ピクセルの直接操作(アニメーション生成)
- 4.4 2値化処理とトラックバー
- 4.5 マウスイベントの取得
- 第5章 映像解析
- 5.1 テンプレートマッチング
- 5.2 オプティカルフロー検出
- 5.3 特徴点抽出と物体追跡
- 5.4 離散フーリエ変換を用いた周波数フィルタリング
- 5.5 モーションテンプレート
- 5.6 物体検出(顔、眼、人物)
- 付 録
- 付録A OpenCVの導入(Windows)
- 付録B Python/Numpyの導入
- 付録C Windowsコマンドプロンプト
- 付録D OpenCVの導入(Mac OS X)
- 付録E Python/Numpyの導入(Mac OS X)
- 付録F Mac OS Xターミナル
- 付録G Numpyライブラリの用例
- 付録H OpenCV関数リスト
- 付録I ライセンス
- 付録J 参考文献