OpenGL ES 2.0
Androidグラフィックスプログラミング
- 著者 松田 晃一
- 判型 B5変型, 592頁
- 本体価格 4,800円
- ISBN 978-4-87783-294-0
2012年9月10日 初版第1刷発行
本書について
今日では、CPUなどの性能の向上により、それまではPCなどのコンピュータでしか実現できなかった(実現しにくかった)アプリケーションがスマートフォンやタブレットなどで開発できるようになってきました。その中でも、TVなどでも幅広く利用されているシステムにGoogle社のAndroidがあります。本書は、Android上で3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)を用いたアプリケーションを可能とする「OpenGL ES 2.0」でプログラムを作成するための初心者向けの入門書です。初心者向けの本ですので、本書を読まれるにあたりAndroidや、3DCG、OpenGLなどの知識は必要ありません。
今日、TV、PC、タブレット、スマートフォンといういわゆる4スクリーンに代表されるように、機器の情報提示画面のサイズの急速な拡大とともに、そのユーザインタフェースやインタラクションのデザインや重要性は大きく質を転換してきています。それに伴いそれぞれの機器を通した体験は、それまでの静止画、書き割り的な一過性のものから複数のアプリケーション間にまたがる一連の体験を重視する演劇的なものに変わってきました。3DCGというとすぐにゲームが頭に思い浮かびますが、このような環境の中、ゲーム以外にも、みなさんの身近な機器のユーザインタフェースなどに3DCGの要素が多く取り入れられてきています。より使いやすく美しい次世代のユーザインタフェースやコンテンツの実現、情報の可視化などでさまざまなプラットフォームで使用できるOpenGL ES 2.0は今後、重要な役割を担っていくでしょう。
目 次
- 第1章 OpenGL ES 2.0って何?
- 1.1 Android上のOpenGL ES 2.0は何がよいのか?
- 1.2 OpenGL ES 2.0はOpenGLを簡単にしたもの
- 1.3 OpenGL、OpenGL ES 1.1/2.0、WebGL
- 1.4 OpenGL ES 2.0のソフトウェア構造
- 1.5 開発環境とスマートフォン
- 1.6 サンプルプログラム
- 1.7 参考文献の表記に関して
- 1.8 まとめ
- 第2章 環境を整える
- 2.1 Android SDKの導入
- 2.2 Eclipseの導入
- 2.3 Androidアプリケーションの実行
- 2.4 プログラムの表示のさせ方
- 2.5 メッセージを表示させる
- 2.6 まとめ
- 第3章 はじめの一歩
- 3.1 世界一短いOpenGL ES 2.0:描画領域をクリアする(HelloGLES20)
- 3.2 点を描画する(1)
- 3.3 点を描画する(2)
- 3.4 タッチされた場所に点を描画する
- 3.5 点の色を変更する
- 3.6 縦横比を保持する
- 3.7 精度修飾子に関してもう少しだけ
- 3.8 まとめ
- 第4章 三角形の描画とアニメーション
- 4.1 複数の点を描画する(1)
- 4.2 複数の点を描画する(2)
- 4.3 三角形さん、こんにちは
- 4.4 移動、回転、拡大縮小
- 4.5 移動し、回転する
- 4.6 アニメーションさせる
- 4.7 まとめ
- 第5章 色と画像を使う
- 5.1 頂点に関する複数種類のデータをシェーダに渡す
- 5.2 三角形に色を付ける(ColoredTriangle.java)
- 5.3 四角形に画像を貼る
- 5.4 複数のテクスチャを貼る
- 5.5 まとめ
- 第6章 小休止:OpenGL ESシェーダ記述言語(GLSL ES)
- 6.1 GLSL ESとは
- 6.2 Hello Shader!
- 6.3 扱えるデータ(数値、論理値)
- 6.4 変数
- 6.5 型に厳しい言語
- 6.6 基本の型
- 6.7 ベクトル型と行列型
- 6.8 構造体
- 6.9 配列
- 6.10 サンプラ
- 6.11 演算子の優先順位
- 6.12 条件分岐と繰り返し
- 6.13 関数
- 6.14 組み込み関数
- 6.15 グローバル変数とローカル変数
- 6.16 型修飾子
- 6.17 精度修飾子
- 6.18 プリプロセッサ指示子
- 6.19 まとめ
- 第7章 3次元の世界へ
- 7.1 どこからどこを見ているかを指定する
- 7.2 タッチで視点の位置を変える
- 7.3 どこからどこまでが見えるかを指定する(直方体型)
- 7.4 どこからどこまでが見えるかを指定する(四角錐型)
- 7.5 前にある物が後ろにある物を隠す
- 7.6 立方体さん、こんにちは
- 7.7 ワールド座標系とローカル座標系
- 7.8 まとめ
- 第8章 光溢れる世界へ
- 8.1 物体に光を当てる
- 8.2 回転し、平行移動した物体に光を当てる
- 8.3 物体に点光源を当てる
- 8.4 複数の物体から構成される物体の描画と操作
- 8.5 シェーダとプログラムオブジェクト——initShaders( )は何をやっているのか?
- 8.6 環境に優しいプログラム
- 8.7 まとめ
- 第9章 さまざまなテクニック
- 9.1 物体を指で回転する
- 9.2 物体を選択する
- 9.3 物体を指で拡大縮小する
- 9.4 フォグ(大気効果)
- 9.5 四角い点を丸くする
- 9.6 アルファブレンディング
- 9.7 シェーダを切り替える
- 9.8 描画した内容をテクスチャ画像として使用する
- 9.9 影を表示する
- 9.10 モデルを読み込み表示する
- 9.11 センサを利用する
- 9.12 まとめ
- 付録
- 付録A Androidプロジェクトの作成
- 付録B GLSL ES 1.0の組み込み関数
- 付録C 行列一覧
- 付録D OpenGL ES 2.0/OpenGLは左手系?
- 付録E 逆転置行列!
- 付録F シェーダをファイルから読み込む
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[2012/08/24]ダウンロードサービスのファイルがアップデートされました。ま
た、前回のファイルよりファイルサイズが小さくなっていますが、Androidはデ
フォルトでは4つのアイコンが付きますが、1つのアイコンにしたためです。