統計はもっとも重要な数学的手法のひとつである。実際、数学から科学、工学、経済学、医学などの多岐にわたる分野で統計が利用されている。よって、統計をマスターすることは実用上非常に重要である。
しかし、統計の数学的基礎は難解である。また、実際の統計分析を行なうためには複雑な計算が必要である。このような点から、統計を使いこなせる人はそう多くないのが実情である。
近年、多くの高度な統計ツールが開発され、コンピュータによって実用的な統計分析を行なうことが可能になった。その中でも最も注目されているのが「R」である。Rはフリーの統計ツールであり、その機能は統計分析の主要分野をカバーしている。
よって、Rを使いながら統計の基礎を学ぶことは、初心者にとっては最適である。本書は題名のとおり「Rのやさしい入門書」であり、同時に統計学の基礎も学ぶことができる。さらに、Rによるかなり高度な統計分析についても扱う。本書を読むにあたっては、コンピュータの基本操作の知識のみあれば内容は十分理解できる。
本書は、Rを初歩から学びたい人や統計分析をコンピュータで学びたい人のために書かれている。また、大学などの統計学、計量経済学、コンピュータ関連の演習のテキストとしても利用できる。