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先輩が教えるシリーズ21
論文・レポート作成に使う
Word 2010活用法
スタイル活用テクニックと数式ツールの使い方

本書について

 本書は論文の書き方を主なテーマとして取り上げているわけではない。本書は論文という形態の長文をWordというアプリケーションソフトウエアで作成するための、Wordの操作方法について解説している。論文を作成できるソフトウエアはWordだけではないが、一部の情報関連の研究者以外にとって、ごく普通に利用できるソフトウエアはWordである。Wordのようなワードプロセッサーを論文作成のための道具として使いこなすことができれば、最も肝心な論文の内容により集中することができるだろう。一人の人間が一定時間内にできる努力の量はその人ごとに限られているので、道具の使い方を学んでいるのか研究成果をまとめているのかわからないような状況に陥ってしまうと、論文自体の質にも影響してしまう。

 本質的な目的は、研究成果を他の人々に理解してもらえるような形にすることである。そのために最適だと思われるWordの利用方法を自ら模索するとなると、膨大な時間を費やすことになりかねない。文字の入力方法を覚える程度なら他にもいろいろと役に立つのでいいかもしれないが、自分の研究成果をまとめるためにWordを研究するというのは間違っている。心配はいらない。本書では論文を作成するためのWordの効率的な利用方法について解説している。中心的な話題は、論文に最適と思われるレイアウトに関する知識の解説と、そのために利用できるWordのスタイル機能、テンプレート機能の解説だ。本書を読みこなすだけの時間を割いて、論文を書き始める前にほんの少しだけ苦労すれば、後は文字を思うがまま入力するだけだ。

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