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拡張現実感を実現する
ARToolkitプログラミングテクニック

本書について

 「拡張現実感」と言われて、それがどんなものかをイメージできる人は少ないのではないでしょうか。でも、実際に見れば誰もが「おおっ!」と思うもの。それが拡張現実感「AR」です。
 まずはCOLORPAGEをご覧ください。これらはみな、Webカメラで撮影した景色の中に、実際には存在しない3次元オブジェクトを表示したものです。その場所に存在しない建物を出現させたり、手のひらの上で3次元オブジェクトを回転させたり。現実の世界に架空の3次元オブジェクトをオーバーレイすることで生まれる新しい世界———これがARです。そして、この不思議な世界はWebカメラとパソコン、C言語の開発環境とARToolkitさえあれば、誰でも開発することができるのです。
 ARアプリケーションは、机の上だけに出現する架空の世界ではありません。ぜひ、屋外に出て実行してみてください。広い敷地にある日突然ビルが建ったら…、対岸までの橋ができたら…、これまでの景色がどのように変わるかをシミュレーションできるなんて素晴らしいことだと思いませんか。
 この本がARToolkitおよびプログラミングの学習をする方だけでなく、もっと広い分野の方々の目に留まることを、そしてARToolkitが様々な可能性を秘めたツールであることに多くの方が気付いてくれることを願っています。

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