本書について コンピュータとインターネットの普及に伴い、医療現場で使用するデータもデジタル化が進んでいます。これまではフィルムに焼いて観察していたX線写真やCT画像、MRI画像もデジタルデータとなり、現在はコンピュータで直接扱えるようになっています。しかし、これらのデジタルデータを視覚化するには高価なアプリケーションが必要であり、そういったアプリケーションを持たない現場ではせっかくのデジタルデータを利用できなかったり、さらには見ることすらできなかったりします。 もちろん、これらのデータは私たちが普段使っているパソコンでも扱うことができます。この本の最終目標は、医療現場でよく利用されるデジタルデータ(JPEG、TIFF、DICOM、STL、DXFなど)をパソコン上で視覚化するアプリケーション、「画像ビューア」を開発することです。その手段としてOpenGLを使用します。 この本はOpenGLのすべての機能を解説するものではありません。むしろ、これ以上ないくらいに余分な機能を排除し、ポイントを絞って解説することに主点を置きました。描画シーンは平行投影、視点はZ軸上から原点を向いていることを基本にしています。3次元を考える上でもっともイメージしやすいシーンを使うことで、OpenGLの基本を確実に身に着けることを目指しました。 目 次
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