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C++Builder6 コンポーネント活用&実践プログラミング
Vol.8 OpenGLプログラミング編
著者 谷尻 豊寿
判型 B5変型判、280頁
本体価格 3,200円
ISBN 978-4-87783-178-3

本書について

 コンピュータとインターネットの普及に伴い、医療現場で使用するデータもデジタル化が進んでいます。これまではフィルムに焼いて観察していたX線写真やCT画像、MRI画像もデジタルデータとなり、現在はコンピュータで直接扱えるようになっています。しかし、これらのデジタルデータを視覚化するには高価なアプリケーションが必要であり、そういったアプリケーションを持たない現場ではせっかくのデジタルデータを利用できなかったり、さらには見ることすらできなかったりします。

 もちろん、これらのデータは私たちが普段使っているパソコンでも扱うことができます。この本の最終目標は、医療現場でよく利用されるデジタルデータ(JPEG、TIFF、DICOM、STL、DXFなど)をパソコン上で視覚化するアプリケーション、「画像ビューア」を開発することです。その手段としてOpenGLを使用します。

 OpenGLは3次元グラフィックス処理のためのAPIです。線分や多角形などの基本的な図形を描画するコマンドや、光源やオブジェクトの材質、テクスチャなど、オブジェクトの見え方を定義するコマンド、作成したシーンを写すカメラの位置やレンズの種類を定義するコマンド群で構成されています。現在はほとんどのOSがOpenGLをサポートしており、その素晴らしさは3DCGアニメーションやゲームソフトを見ればわかります。しかし、OpenGLにはあまりにもたくさんの機能があり、実際に自分で何かを作ろうとしたときに何をどうすればよいか、戸惑うことが少なくありません。

 この本はOpenGLのすべての機能を解説するものではありません。むしろ、これ以上ないくらいに余分な機能を排除し、ポイントを絞って解説することに主点を置きました。描画シーンは平行投影、視点はZ軸上から原点を向いていることを基本にしています。3次元を考える上でもっともイメージしやすいシーンを使うことで、OpenGLの基本を確実に身に着けることを目指しました。

目 次

第16部 OpenGLプログラミング

第49章 OpenGLの概要

49-1● OpenGLとは
49-2● OpenGLのプログラミングに必要なもの
49-3● はじめてのOpenGL
49-4● WindowsとOpenGL

第50章 2次元でOpenGLの基本をおさえる

50-1● 3次元から2次元へ
50-2● プリミティブを描画する
50-3● オブジェクトの縦横比を保持する
50-4● ディスプレイ・リストを利用する

第51章 3次元グラフィックスの基本

51-1● 2次元から3次元へ
51-2● オブジェクトの回転
51-3● 3次元オブジェクトの描画

第52章 座標の変換と照光処理

52-1● オブジェクトが描画されるまで
52-2● 投影変換 64
52-3● モデルビュー変換
52-4● 隠面消去
52-5● 照光処理

第53章 テクスチャマッピング

53-1● テクスチャマッピングの方法
53-2● Bitmap形式のファイルを利用する
53-3● JPEG形式のファイルを利用する
53-4● 医療用TIFF画像を利用する
53-5● DICOMデータを利用する
53-6● 立方体へのマッピング
53-7● Vertex Colorを使ったマッピング

第54章 3次元データファイルフォーマット

54-1● STL
54-2● DXF
54-3● OBJ
54-4● テクスチャ付きフォーマット

第55章 アプリケーション構築のヒント

55-1● OpenGLの座標変換
55-2● モデリング変換の組み合わせ
55-3● 3次元データの表示0
55-4● オブジェクトの色を有効にしたままライトをあてる
55-5● スクロールバーを使って画像の濃淡を変更する
55-6● 表示画像をクリップボードにコピーする

付録 サンプル・アプリケーション

A-1● 画像ビューアの機能
A-2● プログラムリスト

索引
付属CD-ROMについて
参考資料/参考文献